一度、「うつ病」という厄介な病にかかると、なかなか思った通りに治すことができません。怪我や骨折のように目に見えるものでもなく、またウイルスのように細菌がいるわけでもないので、「うつ病」になる前のゼロの状態には戻れないのではないかと不安になることがよくあります。治療を止めて、主治医から「治った」と言われた後でも、ふとした瞬間やきっかけで、不安定になります。従い、なるべくストレスがなく、心に負担にならないような生活を心がける必要がありますが、その点に関して非常に苦労します。ストレスがない生活や状態は、現代社会においてほとんど不可能です。また、生きている以上は何かしら働かなければならなく、どんな仕事にも悩みがあるのが現状です。
また、周りの人間も普段の私が元気なので、急に体調を崩すとそのギャップに戸惑ってしまいます。特に彼氏やパートナーなど近しい関係の人には、過去に「うつ病」にかかった経験があり、再発したり急に落ち込んだりすることがあると伝えていても、実際その状況になると逃げ出したり貶したり怒ったりする人が多いので、理解を求めることは非常に難しいということも実感しました。
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私が「うつ病」になったきっかけは、仕事でのストレスが原因でした。新卒で採用されて就職した企業が、激務やパワハラ、セクハラが多い所謂「ブラック企業」でした。新入社員で深夜1時まで働き、そこから朝7時に出社し、上司から怒鳴られ、先輩に八つ当たりされ、飲み会には連れまわされ、男性の先輩や上司にセクハラされるという生活が約1年間続きました。2年目にあがった頃、ついに堪え切れられなくなり、会社のデスクで涙が溢れ出し、トイレに駆け込み1時間ほど泣いてしまった時、自分の「限界」がきたことに気づきました。次の日から起きられなくなり、心療内科に行ってみると、既に状態は酷く「うつ病」と診断されました。会社には休職届を提出し、しばらく自宅療養となり、心療内科に通い投薬治療を行いました。1か月ほど経過したところで状態が随分よくなり、主治医からも復帰して良いとの許可が下りたので、会社に復帰しました。部署を異動し心機一転、新しい気持ちで復帰して働いていましたが、また1年程働くと、気分が沈み始めました。新しい部署では激務もパワハラもセクハラもなかったのですが、デスクに座っているだけで涙が出て来てしまい、「うつ病」が完全に治っていないことに気づきました。そのうちに症状が悪化し、また心療内科に行ってみると「再発しているので会社を休職するように」との指示が主治医から出てしまい、2度目の休職となってしまいました。周りの目に耐え切れず、結局会社を退職し、転職先を探すことになりましたが、転職先を探し出すまでにかかった時間も半年と、2度目は1度目よりも期間が長引きました。転職してからは随分とストレスが減り、活動的にしていましたが、ふとした出来事で暗くなったり、落ち込んでしまったり、消えたくなったりする気持ちが出て来てしまいました。立ち直りも早い分、前に比べすぐに落ち込むようになりました。そのような状況から転職先も続かず、1年も経たずに辞めることになりました。
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現在、仕事を辞めて結婚し、フリーランスとして自由に働いています。生活はほとんど主婦業がメインで、「うつ病」にかかった新入社員の頃と比べると、圧倒的に自由であり、ストレスが少なく、幸せな日々を送っています。しかしながら、こんな状況でも完全に「うつ病」から克服できていません。最初にかかった頃は涙があふれ、自信をなくし、希望がなくなり・・・という状況でしたが、結婚して生活した今では症状が異なります。最近では、生理の1週間ほど前から始まるイライラや情緒不安定、無気力など心の不調が出るPMS（月経前症候群）と呼ばれる症状が悪化してきました。以前は、少しイライラして喧嘩になる程度でしたが、最近では生理前になると暴力的になったり泣きわめいたり物を破壊したりと、かなり行動が「攻撃的」になりました。夫も私の異常さに見かねて距離を置きだし、焦った私も自分の症状についてインターネットで調べました。その結果、過去に「うつ病」など精神疾患を症状があった女性はPMSの症状が深刻化し、「PMDD（月経前不快気分障害）」という症状になるケースがあることが分かりました。インターネット上の情報によると、PMDDは、PMSと同じように月経周期に合わせて症状が発症・悪化するため、普段は穏やかに生活が出来ていても、生理前になると急に攻撃的や暴力的になったり、あるいはひどいイライラ感や自殺願望や自傷行為をしたり、月経前だけに「うつ病」状態になるとのことです。このPMDDの治療は「うつ病」と同じく心療内科に通ったり、投薬したりしなければ急激には治らないとのことです。新入社員の時に「うつ病」と診断されて4年が経ちますが、症状を変えて時々現れるこの病に今も悩まされています。