不安要素は削除!うつ病の 病院を選ぶときに注意したい4つのポイント
うつ病の治療を進めていくなかで、どの病院・クリニックを選ぶのかは治療の良し悪しを左右するほど重要な問題です。しかし、良い病院と悪い病院の区別がつく人は少ないのではないでしょうか?
そこで今回はうつの疑いがあり、これから病院・クリニックへ行こうと思っている人のために病院の選び方についてお話したいと思います。
立地条件の良い病院・クリニックを選ぼう
うつ病は完治するまでの期間が個人によって大きく異なります。うつの症状が軽い人であれば初診から通院が終わるまで3〜4ヶ月で終わることもありますが、長い人になると4年以上かけてゆっくりとうつの症状を治していくことも少なくありません。
うつ病の疑いがある人にとって自分の症状が軽いのか重いのか、判断できる人はいないと思います。ですので、最初から長期間、通院しても問題ない病院・クリニックを選び、なるべく自分の負担にならないことを考えるべきです。
では、長期間通っても負担にならない病院・クリニックとはどのような場所を指すのでしょうか? 具体的にいうと、自分にとって立地条件が良い、病院・クリニックを選ぶことになります。例えば、下記のような場所を選ぶのが理想的だと言えるでしょう。
・自宅から歩いて通える
・職場から近い
・駅から徒歩5分以内にある
うつ病の場合、通院の頻度は症状の進行具合や各病院・クリニックによって詳細が異なりますが、2〜4週間に1回は通院することになると思います。
「それぐらいの頻度なら病院が遠くても問題ない」という人もいるかもしれませんが、うつ病の人にとって自宅から外へ出るという行為はかなりの負担になります。また、うつ病は日によって精神的なモチベーションが大きく変わるため、通院する日を決めていても、いざ当日になったら行く気がまったくしないという状態になることも少なくありません。
しかし、行く気がまったくしなくても、可能なかぎり通院することをお勧めします。なぜなら通院した際、担当の医師に体調の変化や自分の精神的な状態を話し、薬の量や治療方針を決めていくからです。
うつ病になった場合に服用することになる抗うつ剤や睡眠薬には副作用があります。例えば私の場合、薬を服用してから副作用の時間がどれぐらい続くのか、また副作用による体調の変化はどのようになっているかを細かく医師に伝え、薬の量や通院の回数などを調整してもらいました。
担当の医師の方針にもよると思いますが、患者が予定日に通院することができないといえば、医師は患者の意見を尊重し、通院を別日にするでしょう。
つまり、予定していた日に通院することができなければ、薬の量や治療方針などの判断が遅れることになります。
このように予定していた日になるべく通院するためには、自宅から通院するのに立地条件が良い、病院・クリニックを選ぶのがいいでしょう。なかでも一番お勧めなのが自宅から歩いていける距離の病院・クリニックを選ぶことです。
極端な話ですが、もしも自宅から歩いて1分の病院・クリニックなら、どんなに行きたくない気分でも行ける可能性は高くなると思いませんか? 電車を乗り継いで1時間かかる場所と比べてどうでしょうか? ほとんどの人が自宅から歩いて行ける距離のほうが通いやすいと感じるでしょう。
もちろん、そうそう都合良く立地条件がいい病院・クリニックが見つかることはないと思いますが、まずは近場から探してみてください。
予約が取りづらい病院・クリニックはNG!?
うつ病の患者にとって、通院の予約が取りやすいかどうかも重要なポイントです。第1章で話したように、うつ病の治療中というのは精神状態や気分にムラがあります。また、本当は仕事もせずに休んだほうがいいのですが、諸事情により仕事をしながら治療をしなければいけない人もいるでしょう。
うつ病の治療中というのは自分の負担になるようなことは極力、減らしていかなければいけません。通院の予約に関しても、「この日は行けるだろう」という日に行けないと、次の通院が難しくなります。〝行けるときに確実に通院する〟というのが非常に重要なポイントになります。
通院予約がなかなか取れないというのはあなたにとって負担になります。通院の過程であまりにも予約が取りづらい場合は病院を変更するかしないか、一度考え直したほうがいいでしょう。
担当医師の第一印象や話しやすさを確認すること
うつ病を治療していく上でストレスは大敵です。生活していく上でストレスというのはどうしてもかかりますが、治療中は少しでもストレスがかからない生活を送らなければいけません。
最初に述べたようにうつ病の治療は長期間かかるものとして想定します。当然、担当医師とも長い付き合いになりますよね。そんな長い付き合いになる相手が話しにくかったり、第一印象が悪い相手だとどうでしょうか? あなたにとってストレスにならないでしょうか?
うつ病の治療中というのは疑心暗鬼になることがあります。例えば私の場合、担当の医師は第一印象も良く、治療の方針や薬の量などに対しても私の意見をすごく大切にしてくれました。とても信頼していたのですが、それでもふとした瞬間に下記のような不安や疑問が頭に浮かぶことがありました。
「本当にこの治療方法でいいのだろうか?」
「治療の料金は適正料金なのかな?」
「薬の量は大丈夫かな……」
私は今でも担当の医師には感謝していますし、すごくいい先生に巡り会えたと思っています。だからこそ乗り越えていくことができましたが、もしもこれが逆だったらどうでしょうか?
第一印象が悪く、なんとなく話しづらい。心の中では自分とは合わない医師だとわかっているが、治すために仕方なく通院している。このような状態はあなたにとって間違いなく負担になると思います。
もちろんあなたにとって第一印象が悪く、話づらい人だったとしても、うつ病の治療に関しては実績も経験も超一流の医師の場合もあるでしょう。しかし、担当の医師はなるべく自分と相性の良い人を選ぶのがいいと思います。自分の体調を遠慮せず素直に話せる相手でないと、治せる病気も治せないかもしれません。
対面時間が短く、薬しか処方しない病院は変えよう
通院したときの医師と対面して話す時間はとても大切です。骨折などの外傷とは違い、うつ病は精神的な問題が大きいため、病気の治り具合を判断するのが難しい病気です。いくらベテランの医師でも患者との意思疎通の時間を十分に設けず、病気の進行具合を判断するのは難しいでしょう。
もしもあなたが通っている病院・クリニックで担当医師との話す時間が極端に短い場合は病院を変更することを視野に入れてください。
担当医師が一方的に話したり、薬の処方しかしないというのは患者にとって非常に不安になります。昨今では光トポグラフィー検査のようにグラフや数値でうつ病の状態を判断するような技術もありますが、このような検査を用いても精神科医と話す時間は必ずあります。
また一人暮らしの人の場合、うつ病の治療中は人と話す機会が極端に少なくなる人も珍しくありません。私も家に篭ることが多く(そもそも治療の初期段階では、担当医師からなるべく自宅にいたほうが良いと言われていました)限られた人としか会話しませんでした。そのような状態のとき、担当の医師との会話はとても大切な時間でした。
どんなに仲が良い友達でも、うつ病に対して理解がある友達は少ないです。しかし、担当の医師はうつ病に関する知識がありますし、患者の病気の進行具合も理解しています。つまり、あなたにとって限りなく少ない理解者のひとりなのです。
このように自分を理解している人との対話はとても大切な時間であり、治療していく上で重要なポイントになります。患者と話す時間をしっかりととってくれる病院・クリニックを選びましょう。
まとめ:不安要素は少しでも減らそう
うつ病の疑いがある場合の病院選びの4つのポイントをおさらいしましょう。
① なるべく自宅から近い病院を選ぶ
② 予約が取りやすい病院にすること
③ 自分と相性の良い医師を探す
④ 患者と対話する時間が短い病院はNG
病院やクリニックが決まったからといって、うつ病治療への道のりがすべて終わるわけではありません。担当医師の指導や治療方針を守ることも大事ですが、自分が治療期間中に感じる不安要素は少しでも減らしていくこと大切です。医師に任せっきりにするのではなく、うつ病に関しても治すために何をすればいいのか、考えることが大切でしょう。