日本で発売されている抗うつ薬の種類や特徴について

現在、日本では古いものから新しいものまで、何種類もの抗うつ薬が発売されており、それぞれに特徴が異なります。そこで今回はうつ病になったときに服用する薬の種類や特徴についてまとめました。

 

1:抗うつ薬には5つのグループがある

Anemone123 / Pixabay

抗うつ薬には大きく分けて「三環系・四環系・SSRI・SNRI・NaSSA」の5つのグループがあります。それぞれ治療効果や副作用に差があり、先に述べた「三環系・四環系・SSRI・SNRI・NaSSA」の順番は三環系がもっとも古く、NaSSAが新しい抗うつ薬になります。

 

当然のことながら新しい薬であればあるほど効果も高く、副作用も少ないというメリットがありますが、その分、薬価が高いのがデメリットです。そのため経済的な負担をなるべく少なくしたい人にとっては古い薬のほうが良い場合もあります。

 

また、新しい薬の効果が高いからといって、すべての患者に適用されるわけではありません。患者によっては新しい薬よりも古い薬のほうが身体に合う場合もあり、一概に新しい薬が絶対に良いとは言えないのが抗うつ薬の特徴のひとつでもあります。

 

今回は5つのグループのなかでも新しいほうに属するSSRI・SNRI・NaSSAの三種類の抗うつ薬についてご紹介していきいます。

 

特徴や副作用を記載してますが、どの薬にも個人差があることを予めご了承ください。(※薬の価格に関しては2017年5月現在の価格を表記しています。薬価は定期的に価格が変更しますので、そちらも予めご了承ください)

 

2:SSRI

 

① デプロメール錠

 

1999年から発売されているSSRIでフルボキサミンと呼ばれる成分が入っています。うつ病やうつ状態だけでなく、強迫性障害や社会不安障害にも効果がある錠剤です。

 

デプロメール錠はパニック障害や心的外傷後ストレス障害(PTSD)にも効果があると言われていますが、日本では先に述べた「うつ病(うつ状態)・強迫性障害・社会不安障害」の3つのみが承認されています。
1日に服用する回数は2回。副作用として多く見られるのが吐き気のため、吐き気止めと一緒に処方されるケースが多いです。

また、もっとも注意しなければいけないのが薬の併用です。うつ病になった場合、患者は抗うつ剤と睡眠薬を服用することが多いのですが、デプロメール錠は複数の睡眠薬との併用が禁止されています。

 

例えば併用が禁止されている薬のひとつがロゼレム錠です。もちろん病院やクリニックで診断してもらい、デプローメール錠とロゼレム錠を同時に処方されることはありえませんが、ロゼレム錠を含め、各種睡眠薬はインターネットを利用して簡単に購入することができますので、注意することが必要でしょう。

 

デプロメール錠の現在の薬価は25mgで32.5円となっております。

 

 

②ルボックス錠

 

デプロメール錠と同じく1999年に発売されたSSRIです、実はデプロメール錠とは名前が違うだけであり、成分は同じです。そのため効果もデプロメール錠と変わりません。

 

ルボックス錠の現在の薬価は25mgで32.7円。デプロメール錠より、若干高い価格になっています。

 

 

③パキシル錠

 

パキシル錠は2000年から日本で発売されているSSRIです。

 

副作用は傾眠や吐き気など。(※傾眠とは意識が混濁し、ウトウトしている状態のこと)

 

パキシル錠は非常に効き目が強い薬と言われており、効果を実感する人が多い薬のひとつです。しかし、効果が強い分、副作用も強く現れることがあり、副作用に悩む人も少なくありません。また、離脱症状が出ることもあり、減薬するのが難しい場合もあります。

 

「副作用が多い」「離脱症状がある」このような聞くとパキシル錠はとても怖い薬だと感じる人もいるかもしれませんが、医師としっかり相談し、回復に努めれば効果的にうつ病を改善することができます。

 

パキシル錠の現在の薬価は5mgで52.6円。ジェネリック医薬品の場合は、さらに安価で購入することが可能です。

 

 

④ジョイゾロフト錠

 

ジョイゾロフト錠は2006年から日本で発売されているSSRIです。効果が出るまで約2週間かかると言われています。

 

副作用は吐き気(悪心)や胃の不快感、眠気など。

 

ジョイゾロフト錠は安全性が高い抗うつ剤であり、副作用が少ない薬です。先に述べた吐き気や眠気といった副作用に関しても1〜2週間で改善すると言われています。

しかし、安全性が高い代わりに効果が若干弱いというのがジョイゾロフト錠の欠点です。もちろん効果がないというわけではありませんので、安全かつ長期的に治したい人には最適といわれています。

 

2014年には水と一緒に飲まなくても服薬することができるOD錠(口腔内崩壊錠)も発売されています。薬が唾液で溶けるため、高齢者でも服用しやすいのが特徴です。

 

ジョイゾロフト錠の現在の薬価は25mgで106.0円となっております。

 

 

⑤レクサプロ錠

 

レクサプロ錠は2011年から日本で発売されているSSRIのなかでもっとも新しい薬です。

 

副作用は吐き気や傾眠など。

 

レクサプロ錠は現状でもっとも新しい薬というだけあり、優れた効能を持っています。これまで紹介したSSRIは「安全性は高いが、効果はやや弱い」「効果は強いが、副作用も強い」など、どうしても欠点ありました。しかし、レクサプロ錠は効果も高く、副作用が弱いという非常にバランスの取れた薬です。

 

うつ病は短期間で回復することは少なく、長期的に治していかなければいけません。そのため服用する期間も長く、副作用がきついのは患者には大きなデメリットです。

 

しかし、レクサプロ錠は安全性が高いため継続しやすく、しかも効果も高いので効率的にうつ病を治していくことができます。

 

そんなレクサプロ錠にも唯一の欠点があります。それは薬価です。レクサプロ錠の現在の薬価は10mgで216.4円と非常に高価になっています。まだまだ新しい薬のため、ジェネリック医薬品も発売されておらず、薬代はどうしても高くなってしまいます。

 

 

 

3:SNRI

 

 

①トレドミン錠

 

トレドミン錠は2000年から日本で発売されているSNRIです。

 

副作用は口渇がもっとも多く、他には悪心・嘔吐など。

 

全体的に副作用が出ることが少なく、非常に安全性が高い抗うつ薬なのですが、効果が弱いのがデメリットです。

 

メリットは肝臓への負担が少ないため、肝臓の病気または肝機能が悪い人でも安心して使えるのがトレドミン錠の大きなメリットです。

 

トレドミン錠の現在の薬価は15mgで20.8円となっております。

 

 

②サインバルタカプセル

 

サインバルタカプセルは2010年から日本で発売されているSNRIです。

 

副作用は悪心・傾眠が多く、他にも口渇や頭痛などが挙げられます。また、副作用としてセロトニン症候群になる恐れもあります。

 

セロトニン症候群とは脳内の神経伝達物質のひとつであるセロトニンが過剰に分泌されている状態を指し、苛立ちや発汗、発熱などが発症することがあります。もしもセロトニン症候群が出た場合は服用を中止しなければいけません。

 

効果は非常に高く、約1週間で効果を実感する人もいます。

 

デメリットとして挙げられるのがカプセルであることです。なぜカプセルであることがデメリットになるのかいいますと、用量を調整できないからです。

 

うつ病は患者の体調や回復の度合いによって、少しずつ減薬をしていかなければいけません。例えばデプロメール錠の場合、25mg・50mg・75mgというように規格が3種類に分けられています。さらに錠剤は十字に切れ目が入っており、ひとつの錠剤を4分の1にまで小さくして服用することができます。例えば50mgのデプロメール錠を服用しているときに医師がお薬を半分にしましょうと提案した場合、50mgのデプロメール錠を自分の手で半分にするだけでいいのです。

 

しかし、カプセルの場合は自分で用量を調整することができません。薬を量を減らすためには0.1カプセルや0.5カプセルなど、特別なカプセルを購入しなければいけません。

 

 

 

③イフェクサーSRカプセル

 

イフェクサーSRカプセルは2015年から日本で発売されているSNRIです。

 

日本では最近発売された抗うつ薬という印象がありますが、海外では20年以上前から使用されている有名な抗うつ薬のひとつです。

 

副作用は悪心・頭痛・眠気・肝機能障害など。
イフェクサーSRカプセルのSRとは徐放製剤のことで、薬がゆっくりと身体に効くようになっています。そのため副作用が起こりづらく、1日1回の服用で長い間(約1日)効果が継続します。

 

デメリットはサインバルタカプセルと同様に用量を調整することができないことが挙げられます。

 

イフェクサーSRカプセルの現在の薬価は37.5mgで157.9円です。

 

 

4:NaSSA

 

①リフレックス錠

 

リフレックス錠は2009年から日本で発売されているNaSSAです。

 

SSRIなどが効きづらい人にもリフレックス錠なら効く場合があり、即効性がある抗うつ薬と言われています。

 

副作用は傾眠・倦怠感・便秘など。

 

リフレックス錠の特徴は即効性があり、効果を早い段階で実感することができます。基本的に抗うつ薬は約2週間は飲み続けないと効果が現れにくいと言われていますが、リフレックス錠に関しては数日〜1週間以内に効果を実感する人が多いようです。

 

デメリットは副作用である眠気が強いことです。実は私が以前、うつ病になったとき、このリフレックス錠を服用していたのですが、薬が身体に慣れない間は眠気がひどく、1日の約半分はほとんど何も作業ができないような状態がありました。

 

もちろんそのような状態がずっと続くというわけではなく、薬を服用し続けることで眠気に襲われる時間は短くなっていきました。最後の通院のときに、私はお医者さんから治りが早かったと言われたのですが、もしかするとこのリフレックス錠の即効性があったからこその治りの早さだったのかもしれません。

 

リフレックス錠の現在の薬価は15mgで170.8円となっております。

 

 

②レメロン錠

 

レメロン錠は2009年から日本で発売されているNaSSAです。以前は15mgの1規格のみ発売でしたが、2016年から30mgのレメロン錠も発売が開始されています。

 

リフレックス錠とは名前が違うだけであり、成分は同じです。そのため効果もリフレックス錠と変わりません。

 

レメロン錠の現在の薬価は15mgで170.2円となっております。

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