うつ病の知識

身近な人のためにも読んでおきたい双極性障害の怖い症状とは?

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みなさん双極性障害という言葉を知っていますか? 実はこの双極性障害とは躁うつ病のことを指します。

一般的にうつ病に関しては世間に認知されていますが、双極性障害についてはまだまだ詳細を知らない人が多いのではないでしょうか。そこで今回はあまり実態が知られてない双極性障害についてお話したいと思います。

双極性障害とはうつ状態と躁状態を繰り返すこと

まず最初に「双極性障害 = 躁うつ病」だということを知らない人がいるのではないでしょうか。そもそも昔は双極性障害のことを躁うつ病と呼んでおり、双極性障害とは呼ばれていませんでした。そのため今でも双極性障害のことを躁うつ病だということを知らない人がいるようです。

双極性障害を躁うつ病と呼んでいる人のなかには、双極性障害のことを異常に気分が高い状態が続いている人というふうに認識している人がいます。確かに双極性障害のことを躁うつ病と呼んでしまうと、躁状態のイメージが強く出るため誤解している人が不思議ではありません。

しかし、双極性障害とは、ずっと気分が高い状態が続く人のことを指しているわけではありません。2つの極を持つという双極性の言葉の意味の通り、双極性障害とは〝うつ状態と躁状態の両方を繰り返す人〟のことを指します。

もちろん躁状態のみが続くこともあるのですが、時間が経つにつれ、うつ状態も発症してしまう人が多いです。結果的に双極性障害と診断されます。

躁状態とはうつ状態と同じように家庭や仕事に支障をもたらすほど、ひどい状態のことを指しますが、なかには軽い躁状態の場合もあります。

軽い躁状態とは周囲の人間が見て、「普段より、随分と機嫌が良いな」と感じられる状態であり、周囲の人間に多大な迷惑をかけたり、本人も何か困るようなことがあるわけではありません。このような軽い躁状態のことを文字通り「軽躁状態」と呼びます。

 

双極性障害とはうつ状態に加え、躁状態もしくは軽躁状態を繰り返すことを指し、それぞれ名称が異なります。

 

①双極I型障害

うつ状態と日常生活に支障をもたらすほどの激しい躁状態を繰り返すこと

②双極II型障害

うつ状態と軽躁状態を繰り返すこと

 

躁状態を甘く考えてはいけない

双極性障害の躁状態のことを気分が高揚しているだけというふうに考えている人のなかには、躁状態のことを甘く考えている人がいます。

 

「気分がハイになっているだけなら大きな問題じゃないのでは?」

 

おそらくこのように考えている人は躁状態ではなく、軽躁状態をイメージしている人が多いのではないでしょうか? 前述したように軽躁状態は多少、周囲の人間に迷惑や困惑を与え、さらに本人に自分が変化している自覚はありませんが、大きなトラブルを起こすようなことも少ないです。

しかし、躁状態は違います。騒ぎ回る、慌ただしいという躁の言葉の意味通り、躁状態はあらゆるシーンにおいて迷惑をかけます。

例えば家族が知らないうちに高級車やブランド品を大量に購入したりなど、散財することがあります。躁状態も軽躁状態も本人には自覚がないため、散財しているにも関わらず、自分の財布の事情には気づけません。しかも散財していることを本人に注意しても、自分以外のほかのことを原因にし、ひどいときは注意する人間に対し、攻撃的な暴言を吐くこともあります。

金銭問題、そして攻撃的になることから人間関係もおかしくなり、生活が破たんしてしまうほどひどい状態になります。

躁状態の人は周囲から見て明らかにおかしいことに気づきます。家族・恋人・友人は躁状態の人に「病院に行ったほうがいいよ」と注意するかもしれませんが、本人は言うことを聞かない場合が多いです。

本人に自覚がないというのが躁状態の怖いところであり、周囲に多大な迷惑をかけているにも関わらず、病院に行こうとはしません。しかも、強引に連れて行こうとすれば、暴力を振るい、暴力事件を起こすこともあるほどです。

 

では、実際に躁状態とはどのような症状が現れるのでしょうか?


①よくしゃべる

上機嫌なのはもちろんのこと、とにかくよくしゃべる。注意をしてもおしゃべりをやめず、最終的に周囲の人たちがうんざりするぐらいしゃべり続ける。

②注意力の低下

気分が高揚し、「自分ならなんでもできる!」と先のことに対して明るく考える傾向がある。何事も明るく考えるため、注意力が散漫になりがち。

③行動が活発になる

アイディアが湯水のごとく湧き出てき、行動的になる。しかし、誇大妄想であったり物事を楽観的に捉えることが多く、結局目的を成し遂げないまま終わってしまう。

④攻撃的な態度や姿勢

他人に対して命令口調や高圧的な態度をとるようになる。

⑤睡眠時間の減少

眠りについてもすぐに目が覚めるため、睡眠時間が減少する。しかし、睡眠時間が減少しているにも関わらず、元気に満ち溢れているため、活発的に行動をしようとする。

⑥様々なトラブルを招く

先に述べたように金銭面の粗さや、攻撃的な発言・暴力に加え、スピード違反を起こすほどの速さで車を運転したり、性欲が高まり間違いを起こしたりすることがある。

 

騙して病院へ連れて行かないこと

もしも身近な人が双極性障害の傾向が見られた場合、どのように対処すればいいのでしょうか? 先にも述べたように双極性障害の躁状態のときは本人に自覚がないため、口頭で病院へ行くように伝えても言うことを聞いてくれません。

ひどい場合は警察に連れていってもらわなければいけないような状態になることもあります。それほどまでに躁状態というのは怖いものなのです。

現状、双極性障害のうつ状態ではなく、躁状態になっている人を対処する場合は病院に連れて行くのが一番良いと言われています。家族や友人が「私たちだけでなんとかしよう」と思っても難しいでしょう。

また、病院へ連れて行くのが困難なため躁状態の人を病院へ行くとは言わず、騙して病院へ連れて行く人がいますが、これは非常に良くありません。


躁状態のときは騙されたことを忘れていても、回復したあとに騙されたという記憶は残っています。さらにうつ病と同じく双極性障害も再発のリスクが高い精神疾患です。再発した場合、本人には騙されたという過去の記憶が残っているため、次に病院へ連れて行くのがさらに困難になってしまいます。

 

慌てず見守ることが何よりも大事

うつ病と同じように双極性障害も周囲の人間が過度に関わるのはあまり良くありません。心が優しい人ほど友人や家族が苦しんでいる姿を見て「なんとかしてあげたい」と感情的になり、双極性障害の患者に対してお世話をしたがるかもしれませんが、落ち着いて見守りましょう。

双極性障害にはうつ状態も出ます。私は以前、うつ病にかかり、治療を始めてから友人にうつ病になったことを告白したのですが、友人から「なんでうつ病になったことを話さなかったのか?」と言われ、つらかったのを覚えています。

別に友人を信用していないからとか話したくないからというわけでなはく、話せなかったし、話す余裕もなかったというのが当時の心境でした。

もしも家族や友人が双極性障害やうつ病になってしまった場合は手を差し伸べて話を聞き出さないほうがいいです。あくまで患者が話そうと思っているときに話を聞いてあげるのが一番良いでしょう。

 

 

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