これまでうつ病というのは医師による問診で判断されることが多かったです。しかし、昨今では医師による問診と光トポグラフィー検査によって、患者の症状を判別する病院・クリニックが徐々に増えてきています。まだまだ実態を知らない人が多い、光トポグラフィー検査ですが、光トポグラフィー検査を受けることで、患者にはどのような効果あるのでしょうか? 今回は光トポグラフィー検査が患者に与える心理面の効果と口コミについてまとめました。
光トポグラフィー検査はうつ病を治療するのが目的ではない
現代病のひとつであるうつ病ですが、これだけ病名が知られているにもかかわらず、未だにはっきりとした原因はわかっていません。
環境的要因(仕事や家事・育児のストレスなど)なのか、身体的要因(ホルモンバランスの変化、過度な疲労)なのか、うつ病の原因というのは個人個人によって様々な原因があります。
また、うつ病の精神症状の特徴のひとつである、抑うつ状態(気分が落ち込むこと)ですが、これはうつ病のみに発症するわけではありません。
双極性障害や統合失調症でも抑うつ状態というのは発症します。そのため、うつ病・双極性障害・統合失調症のどの病気なのか、判断するのが難しいのです。
また、気分の落ち込みというのは誰もが経験することでしょう。
あくまで一時的なものであり、何もしなくても徐々に回復することもあります。要するに健常者でも抑うつ状態に近い状態というのはなることもあるわけです。
「うつ病・双極性障害・統合失調症・健常」この4つの状態を判別する方法はないだろうか?
そこで昨今、検査方法として使われるようになったのが”光トポグラフィー検査”です
光トポグラフィー検査は近赤外光で頭の血流を測定し、患者の抑うつ状態が「うつ病・双極性障害・統合失調症・健常」のどの症状に当てはまるのかを検査します。
たまに勘違いしている人がいるのですが、”光トポグラフィー検査は、あくまで検査であり、うつ病を治療するのが目的ではない”です。
光トポグラフィー検査はうつ病の改善に効果があるということはないので、ご注意ください。
また最終的な診断に関しては「検査前の問診・光トポグラフィー検査の結果・検査結果を元にした医師の診察」を受けた上で診断結果が出されます。
光トポグラフィー検査はあくまで診断を補助するための検査方法です。光トポグラフィー検査の結果だけで患者の病状を判別することはありません。
光トポグラフィー検査は症状に対する疑惑を取り除く検査でもある
うつ病というのは「あなたはうつ病です」と診断されたとしても、なかなか信じることができない病気です。
治療方法にもよりますが、うつ病は短期間で完治するような精神疾患ではありません。
現在、主流である薬物療法の場合は、薬の効果をゆっくり身体に浸透させ、長期間かけて治療を進めていくことになります。
そうすると、治療の途中で患者は以下のような不安を覚えることがあります。
「自分は本当にうつ病なのだろうか?」
医師に言われた通り、薬を飲んでいるにもかかわらず、なかなか病気が治らないというのは、患者に強い不安を与えます。そして、そもそも自分は病気なのだろうか? という疑惑を抱くことになるのです。
実際にインターネットでの口コミや体験談を見ると、抗うつ薬と睡眠薬を処方するだけで、患者の話に耳を傾けない医師もいるようです。
このような状況が続くと、薬を飲んでいるだけで一向に改善の余地が見られないという状態が続き、患者はどんどん不安になってしまうのです。
光トポグラフィー検査では、検査終了後、検査データを患者が受け取ることができます。データとしてちゃんと見ることで、自分の状態をきちんと把握することができ、同時に自分の症状に対する疑惑も取り払うことができるのです。
光トポグラフィー検査の口コミ・体験談
<光トポグラフィー検査で安堵した>
10代の頃からうつ病だった私は、ずっと心療内科で治療を受けていました。ときには躁状態も出るようなことがある状態です。
治療は受けていたものの、心のなかでは常に「ただ、自分が現状に甘えているだけなんじゃないか」と葛藤してました。
ある日、光トポグラフィー検査のことを知り、数年前に光トポグラフィー検査を受けました。
結果は、血流の状態が悪く、双極性二型のパターンというものでした。
もちろん光トポグラフィー検査の結果がすべてではありませんが、それでも私はこの検査結果を知ったとき、安堵したのを覚えています。
「自分は現状に甘えているのではなく、ちゃんとした病気だったんだ」
自分の状態を客観的に見ることができるというのは、とても大事なことなんだと感じました。
<光トポグラフィー検査の結果を踏まえ、治療薬を変更>
30代(男)のサラリーマンです。
仕事もかなり忙しくなってきたころに、ちょうど子どもが生まれ、嫁さんと協力しながら仕事と子育ての両方をやることになりました。
無理をしすぎたせいか、徐々に眠れない生活が続き、精神科へ行くと、うつ病だと診断されました。
それから長い間、うつ病の治療を行ってきたのですが、光トポグラフィー検査を受けたことで、もしかすると双極性障害の可能性もあるかもしれないと担当医から言われました。
これまではうつ病の治療薬を処方してもらっていたのですが、双極性障害の治療薬に変えてもらった結果、少しずつ身体が楽になっていきました。
現在では、仕事も休まず出られるような状態まで回復しています。
自分の症状をきちんと知ることはとても大切なこと
自分の症状が光トポグラフィー検査によって、うつ病や双極性障害などと判別されることは、ショックなのではないかと考える人もいると思います。
しかし、口コミや体験談を見ると、「自分が健常者ではないということがわかって、ホッとした」という意見も見ることができます。
なぜ、このように健常者でないことがわかって安堵するのかと言いますと、うつ病や双極性障害といった精神疾患は、他人からは認めてもらえない場合があるからです。
日本の社会では、未だに精神論が根強く残っており、うつ病や双極性障害といった精神疾患を認めていない人たちが少なからずいます。
また、うつ病に関する知識も誤解している人が多く、うつ病患者は精神症状だけでなく、身体症状にも多く悩まされるのに、「お前が情けないだけだ」「根性をもっとつけろ!」など、精神論で片付けられることが多いのです。
光トポグラフィー検査のように検査結果をデータ化し、見えにくい症状であるうつ病を”見える化”することで、当人だけでなく、周囲の人間にも「私は病気なんです」ということをはっきりと認知させることができます。
このように光トポグラフィー検査というのは、自分と周囲の人を納得させることができる診断結果として、非常に効果的であると言えます。
ただし、光トポグラフィー検査はあくまで補助検査であり、検査結果が絶対ではありません。
もう一度言いますが、最終的な判断としては検査前の診察・光トポグラフィー検査・光トポグラフィー検査結果を踏まえての担当医の診断によって、あなたの症状は判別されます。
もしも光トポグラフィー検査であなたの状態がすべてわかります! なんていう謳い文句や口コミがあるとしたら、現状、その意見は間違っているので注意しましょう。