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父の病から母がうつ病になった

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実家の母が父が病に倒れてから、様子がおかしくなりました。
全く病気とは無縁の父でしたから、病気に対する免疫は二人ともありませんでした。
父の病気を受け入れることが出来ず、母の様子がだんだんおかしくなりました。
始めは認知症を発症してしまったかと思い、病院で認知症検査をしてもらったときに認知症の検査はクリアしたのですが鬱の症状があると言われました。

親子

Mary_R_Smith / Pixabay

なぜ、認知症の発症を疑ったかというと、ボーっとしている時間が多くなって、当然父の病気のショックでふさぎ込むことは当然なのですが焦点が定まっていないというか何か様子がおかしかったんです。
病院の先生の処方でも、大きなストレスがかかるとうつ病にかかりやすいから、お父さんの病気がかなりのショックだったんでしょうと言われました。
それから急激に体重の減少がみられました。
ほとんど食事をとらなくなってしまいましたから。
ほとんどの時間が心ここにあらずというか、何を話しかけても聞いて返事はするんですが耳には入っていない様子でした。
また理解力も急激に低下しました。
父の看病が始まっているのに、もう私が死にたいと口にしたりもしていました。
父の病気の発症と、母の症状で私にもかなりの負担がかかりました。
一生懸命に元気にしてあげたいと外に食事に連れて行ったり、励ましたりしましたが、その時は返事をするんですが状態は一向に良くなりませんでした。
あまりにも体重が減ってきてしまったんで、通院している先生にそのことを話し、食欲が出る薬を処方してもらいました。
その薬のおかげで、少し食べれるようにはなりましたが、うつの症状にあまり改善は見られませんでした。
母には告げていなかったのですが、父の病気は余命を先行されていて、母は一刻も早く治ってもらいたいという気持ちでしたが改善しない父の症状によけいストレスがかかってしまっていたのかもしれません。
しかし、治る希望は母から奪ってはいけない気がして母には父にも余命の話は最後までしませんでした。
病院の先生は、うつ病の場合かかっているストレスが軽減されれば症状も良くなっていくと言われましたが、母のストレスの解消は父の完治ですからこれは私の力ではどうしようもできないことでした。
食事はとれるようになりましたが、ほとんど目を伏せて横になっている時間が多くなりました。
あと、症状としておおきな不安や孤独感をかんじているようで、私の手を握ってそばにいてとぽろぽろ涙をこぼすことも多くなりました。
そんな症状の母を家に一人でおいておくわけにもいかず(父はいましたがほとんど床に伏せている状態でした)、もう仕事を続けることも難しくなり私は仕事を退職することを決めました。
私は近くには住んでいましたが結婚もしていますので、毎日実家に通う生活が始まりました。
朝家のことを済ませて、実家に行って夕方返ってくるという毎日でした。
それからしばらくして父の症状も日に日に悪くなっていって、もうこれ以上母に期待させるのも先のことを考えると難しいと思い、もう先が長くない話を母にしました。
うつ病でそれでなくてもふさぎ込む毎日のところに、その現実を告げるのは私としても迷いましたが、最後まで知らせない方がショックが大きくなってしまうのではないかと思い告げました。
その時はかなりのショックの様子でしたが、どうにか受け入れてくれたと思いました。
でも、翌日になるとその現実から目を背けるようになってしまいました。
目を背けるというか、その現実を聞いたことを違うように解釈し始めると言った方がちかいかもしれません。
先生は治らないって言ってなかった。ご飯をちゃんと食べれるようになれば治ると言い出して食事のとれない父にどうにか食べさせようとしていました。
何度かもう治らないことを告げ、その都度納得するんだけど翌日にはまた現実逃避が始まるそんな日が続きました。
私は、これ以上治らない現実を突きつけるのはかえって酷だと思い、母の治るという願いに話を合わせるようにしました。
それからしばらくして、父の入院が決まり入院して一か月で他界しました。
その間も母は病院の帰りの車の中ではぽろぽろと涙を流し、家ではぼーっとして横になっている時間が多く日に日に痩せていってしまいました。

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Wokandapix / Pixabay

父が他界してからもふさぎ込んでいる日々が続きましたが、1ケ月くらいたったころから徐々に症状は改善してきました。
父が他界したことをやっと受け入れられるようになってから、少しづつですが外に出るようになりました。
ずっと行かなくなっていた老人会に久しぶりに参加するようにもなりずっと見れなかった笑顔を見せることも出てきました。
病院の先生にも出来るだけ一人にしないで、誰かと会話することとストレスを軽減してあげることが大切だと言われました。
今も日によってはふさぎ込んでいる様子の時もありますが、症状は改善してきてるようでホっとしています。

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