婚活・恋愛

中の島図書館前でであった、面白い女の子

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学生時代よくたちよったことのある中ノ島の図書館にいきたくなって、地下鉄淀屋橋をおりて中野島公園の方角にむかいました。
日曜とあって普段なら多くみかけるビジネスマンの姿もなく、公園内には若い男女や家族連れの姿が目立ちました。よく晴れた秋空の下、爽快な気分で僕は図書館をめざしました。
特徴のあるレンガ作りの建物がみえはじめると、僕の足は自然と早くなりだしました。
ところが、図書館の玄関前には、改装中の貼り紙がしてあり、立ち入りが禁止となってありました。せっかくきたのにと、僕は憮然となりました。しかし改装中ならしかたがありません。ひきかえそうとしかけたとき、やはり玄関前に立って、僕がみた貼り紙を前に、憮然とたちつくしているひとりの女性がいました。
「あいにくやったね」
僕がそういうと、彼女はちょっぴり悔し気に、
「久しぶりにきたのに、さっぱりですわ」
「僕も、学生のとき以来なんやけど」
「それじゃ、何十年ぶり?」
「そこまでいってへんけど、まあ似たようなもんか」
「ごあいにくさま」
なんとなく楽しい女性でした。
「学生さんやないよね」
「そんなふうにみえる。うれしい、なんかおごってあげようか。あたしは短大出てまだ、数年しかたってないのよ。心斎橋にある会社に勤めてるの」
僕も、電化製品の会社につとめる営業マンということを彼女に告げました。なんとなくこのまま別れてしまう気になれなくて、僕は言いました。
「これから何か用事でもあるの?」
「べつに何も」
「よかったら、そこらでお茶でもどうかな」
「いいわね」
コーヒーににはうるといとかで彼女は、淀屋橋の駅ちかくにあった瀟洒なカフェに僕を連れていってくれました。
店内の落ち着いた隅の席についた二人は、注文したコーヒーをのみながら小一時間話しこみました。べつにとるに足りない内容でしたが、彼女と話しているとふしぎと飽きないのです。彼女は自分のことより、ぼくの話をよくきいてくれました。要所要所で相槌をうち、笑うときは心から笑ってくれました。
いっしょに一時間もいて、たいしたこともはなさずに、退屈しないでおれる女性なんて、そういるものではありません。
「なあ、きみ。これからも、会ってもらえんやろか」
僕は空のカップを手でもてあそびながら、思いきって言いました。断るとしても、彼女ならこちらが傷つかないように断ることがわかっていました。
「あたしみたいなのでよかったら、かまへんけど」
「ほんまか」
「ほんまよ」
「おおきに、ありがとさん」
「なにもお礼なんかいうことあらへん」
僕たちは顔を見交わして笑いました。

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