「自分はもしかするとうつ病かもしれない……」
現代病のひとつであるうつ病ですが、もしもあなたがうつ病になってしまった場合、どのように行動しますか?
- うつ病を克服するためには自力で治すか、
- それとも病院へ行くべきか、
この2つが大きな選択肢になると思います。果たしてどちらを選択するべきか、今回はうつ病を克服するために選択することになる自力で治すことと病院に行って治すことのポイントや注意点についてお話ししたいと思います。
気晴らしに遊びへ出かけるのは良くない!?
そもそもうつ病になったことがない人はうつ病に対して勘違いしている部分があります。これを読んでいるあなたも家族や友人がうつ病になってしまったことがある人もいるかもしれません。
そのようなとき、あなたはこんなふうに声をかけたことがないでしょうか?
「気晴らしにどこか遊びに行こうよ!」
うつ病は精神的な問題から病に陥っていると思われているケースが多いです。また、うつ病の人は自宅に篭っていることが多いため周囲の人からしてみれば、外に出たほうがいい気分転換になると思われがちです。
しかし、うつ病になっている人が必要な処置というのは、とにかく心を休めることにあります。
仮にうつ病にかかった人の状態を車に例えるならば、ガス欠の状態です。車をガス欠の状態で無理に走らせようとするとどうなるでしょうか?
当然、状態は悪くなり、最悪壊れてしまうこともあるでしょう。
人も同じです。心の休養がとれていない状態で遊びに行くと状態はさらに悪化してしまう可能性があります。もしも外に出ることにが自分にとって心の休養になるのであれば、外に出ても問題はないかもしれません。
しかし、外に出ることが少しでも自分にとってストレスになる場合は、自宅でゆっくり休養しているほうがいいでしょう。
心配してくれる友達や家族のお誘いを断るのはツラいかもしれませんが、この判断を誤ると、さらにうつ病が悪化してしまうこともあります。
今現在、自分がうつ病かもしれないという疑いがある場合、またはすでにうつ病で症状を良くしたいと考えている人は旅行や外に遊びに行くことに対して注意したほうがいいでしょう。
また、家族や友達が外へ遊びに行くことを強要した場合は、症状が悪化するかもしれないというリスクをきちんと伝えましょう。
お互い誤解があるままでは関係性が悪くなるだけかもしれませんし、これから付き合っていく上でもきちんと伝えたほうが双方にとって良い結果を生むと思います。
うつ病と診断されただけでも気持ちは軽くなる
うつ病がもたらす心の初期症状では気分が落ち込んだり、やる気がなくなる、集中力の低下などが見られます。このような初期症状だけの場合、自分がうつ病なのかどうか判断ができないことも多いです。
また「自分はうつ病ではない!」と勝手に思い込んでいる人もおり、なかなか精神科やクリニックに行かない人が多いのも事実です。
初期症状のときにうまく心の休養や仕事のバランスが取れている人は自然とうつ病が回復していく人もいますが、休養がうまくとれなかったり、育児や仕事でのストレスをうまく発散できず、心が疲弊している人は症状がさらに悪化してしまいます。
うつ病の症状を心だけの問題と捉えている人も多いようですが、そうではありません。
うつ病は心だけでなく、身体にも症状が現れます。睡眠障害・動悸・頭痛などがうつ病のときに発症する症状の一例です。心だけでなく、身体にも様々な異変が出てくることで
「自分の身体は何かおかしい」と感じ始め、
「自分はうつ病かもしれない」という自覚症状が出てくるわけです。
しかし、うつ病が厄介なのはうつ病が進行し、自覚症状が出てくるレベルにまで達したころには、自宅から出ることが億劫になっていたり、人と会うということ対し、恐怖感を感じる場合があります。
仮に自分が間違いなくうつ病だと自覚したところで、すぐに精神科やクリニックへいくことができるかというとそうではないのです。家族や友人ならまだしも、精神科やクリニックの先生は初対面の人なので、なかなか足を運べないケースも考えられます。
もしもうつ病になってしまった人が彼氏・彼女などのパートナーや家族と同居している場合は自力でも回復する可能性があると思いますが、一人暮らしの人がうつ病にかかり、病状が進行してしまっている場合は自力での回復は非常に難しいと思われます。
最初に旅行や外に遊びにいくなどの気晴らしには注意したほうがいいと書きましたが、これはタイミングにもよります。もしも、うつ病にかかってしまった当人が
「今日は外に出てみたいな」
と思ったタイミングで外に出ることができれば、それは心と身体の休養につながります。
しかし、一人暮らしの場合、いくら自分が外に出たいなと感じても、そこから外へ遊びにいくことは難しく、結果的に自宅で延々と過ごしてしまう場合が多いのです。
また、食事に関しても、栄養バランスの取れた食事を摂るほうがいいのですが、意欲や食欲の低下により、コンビニやインスタント食品で済ませてしまうことが多くなると思われます。
つまり、うつ病は重度でない場合に限り、精神科やクリニックに行かなくても回復する可能性はあると思いますが、パートナーや家族、友人などの助けがないと回復するのは難しいと考えたほうがいいでしょう。自分一人だけで克服するというのは難しい病気なのです。
これは私自身の体験談なのですが、病院でうつ病だと診断されただけでも、ずいぶんと心が軽くなったのを覚えています。うつ病で悶々と生活をしていたときは、本当に自分がどうかなってしまったのではないかと心配すると同時に、これは自分がやる気がないだけだと思っていた部分もあったからです。
うつ病と診断されたことで自分自身の心の問題だけでなく、しっかりとした病状として診断されたことで自分の気持ちだけの問題ではなかったんだと、安堵することができました。
例えば他の病気で考えてみてください。もしもあなたがインフルエンザになってしまった場合、病気だから当然、休養しますよね? うつ病も同じです。うつ病になったから休養するという当たり前の理由なのです。
しかし、病院へ行かない期間というのは、自分がうつ病だと断定することができず、
「自分はもしかしたらうつ病かもしれない」
という曖昧な判断がずっとつきまとうことになります。この状態だと自分は病気でもないくせにずっと自宅篭って休んでいる、という感覚が残り、自宅で休んでいるにもかかわらず、心が休まらない状態が続いてしまう場合もあるのです。
しかし、先にも述べたようにうつ病だとはっきり診断されることで「自分はうつ病になってしまったから休んでも問題ない。むしろ休むべきだ」と脳が意識し、私の場合ですとこの段階でようやくしっかりとした休養をとり始めることができました。
このようにうつ病だという診断書をもらうだけでも、うつ病克服へ向けた第一歩になると私は思います。
家族やパートナーがいる場合は一緒に病院へ行こう
もしもあなたが「今の自分の身体の状態を正確に説明してください」といわれた場合、自分の身体の状態を言葉にすることができますか? 過去に本を出版していたり、普段からブログなどをよく書いている人であれば、自分の状態を説明することに慣れているかもしれません。しかし、世の中のほとんどの人が自分の身体の状態を正確に伝えることはできないのではないかと思います。
例えば、風邪で体調が悪い場合、その体調の悪さをすべて言葉や文章にすることができるでしょうか? 子どもの頃にこのような経験をしたことはないでしょうか。風邪を引いて寝ているときに母親や父親から「どういう状態? 何か食べられるものはある?」と言う質問を受け、あなたはうまく答えることができていたでしょうか?
自分の身体の状態を説明して、人に伝えるというのは難しいことです。ましてや、これがうつ病の場合だとさらに困難を極めます。
私の場合ですと健康なときに比べて「えっと、あの、うーん……」などの言葉が圧倒的に増えました。頭のなかでは言葉が思い浮かんでいても、それをうまく言葉にすることができないのです。
先に述べたようにうつ病は初期症状に限っては自力でも回復できる可能性はあると思いますが、進行にするにつれ、自分一人だけで治すのは難しいと思われます。そのため、どこかのタイミングで病院へ行くことになるのですが、病院では自分の身体の状態を医師に説明しなければいけません。
この医師に自分の体調を説明するというのが非常に重要なポイントになります。うつ病は頭痛や睡眠障害など、身体に起こる症状もありますが、やはり心の問題のほうが大きい症状です。そのため自分の心の状態や身体の異変といった情報を医師に細かく伝えなければいけません。
この自分の状態の情報をきちんと伝えることができなければ、もしかするとうつ病と診断されなかったり、別の精神疾患だと捉えられる可能性もあります。(もちろん、本当に別の精神疾患の場合もあると思います)
さらに重要なのがうつ病と診断されたとしても、それが軽度なのか重度なのかを医師は判断しなければいけません。あなたが自分の心と身体の状態をより詳しく説明することができれば、医師も判断しやすいと思います。
なぜ、こんなにも自分の状態を正確に伝えることが重要なのかといいますと、うつ病の進行具合によって薬の量が変わるからです。うつの症状が軽度であれば薬の量は少なく、重度であれば薬の量も増えます。
一度でも抗うつ剤を飲んだことがある人ならわかると思いますが、抗うつ剤の副作用は大変ツラいものです。少なくとも私は今までに経験したことがないような気だるさや頭が鈍くて重苦しい感じがありました。しかも、服用した日は半日くらいは薬の副作用でつらかった覚えがあります。
もちろん、それは最初のうちだけで身体が薬に慣れて回復していくうちに副作用も軽くなっていきます。担当医も私の体調に合わせて、薬の量を徐々に減らしてくれたおかげもあると思います。
ここで話を戻しますが、自分の体調を正確に伝えることができないと、本当は重度なのに少ない薬の量しかもらえなかったりする可能性があります。なかでも怖いのが本当は軽度なのに必要以上の薬の量をもらってしまう場合です。
誰だってお医者さんから与えられた薬は信用しますよね? 与えられたら与えられた分の薬を服用すると思います。しかし、本当は軽度なのに必要以上の薬を飲んでいると、薬の副作用により、いつまでたっても回復の兆しが現れない場合があります。実際、私の職場の知人は薬の服用をやめたことでうつ病から回復することができたそうです。
もしもあなたが同居しているパートナーや家族と一緒に住んでいる場合、病院には一緒に行くことをお勧めします。知り合いがいると気持ちが落ち着きますし、同居している人ならうつ病になってしまった本人の日頃の状態を細かく説明することができると思います。
一度、病院へ行くと定期的に病院へ通うことになると思いますが、このときもできれば同居人と一緒に行くのがいいと思います。うつ病は進行状況によって薬の量が変わるため、途中経過もなるべく細かく担当医に話したほうがいいでしょう。もちろんこれはケースバイケースであり、もしもあなたが一人のほうがお医者さんに話をしやすいということであれば、一人で病院へ行ったほうがいいでしょう。
症状に合わせた適切な薬の量を処方してもらうというのが、うつ病克服に向けては大変重要なポイントになるのです。
これからうつ病を克服したい方へメッセージ
うつ病を克服するための5つのポイントをおさらいしたいと思います。
- 初期症状で心の休養がうまく取れる場合はうつ病を自力でも治せる可能性がある
- うつの症状が悪化すると自力で治すのは困難。病院へ行くか、最低でも他者の助けが必要な場合が多い。
- 病院でうつ病と診断されただけでも気持ちが楽になることがある
- うつ病の症状を正確に伝えるためには自分だけではなく、他者の説明もあるほうがいい
- 自分の体調の進行状況に合わせ、適切な薬の量を処方してもらうこと
一人暮らしの人はなるべく病院へ行くことをお勧めします。同居人がいる場合は自分の体調としっかり相談しながら休養をとり、必要であれば病院へ行きましょう。私の感覚としては心の問題だけでなく、身体にも異変が生じ始めたら危険です。病院へ行くことをお勧めします。
精神科やうつ病を専門に扱うクリニックなどは、どこか入りづらさを感じている人も多いいかもしれませんが、うつの症状が初期段階だったとしても一度相談しにいくのがいいと思います。他の病気と同様にうつ病も重度になればなるほど、完治するのに時間を要するからです。
いつでも相談できるような専門医を見つけておくことで、うつ病の早期克服が見込めるかもしれません。
うつ病克服方法別コンテンツ
うつ病を克服するには、大きく分けて3つの方法があります。
- 病院などを通しての薬物治療
- カウンセラーなどを通してのカウンセリング治療
- 自分で克服をする自己治療
ただまずはしっかりとした診断をする必要があります。
おそらく「うつ病だろうな」と悩むよりも、まずは相談してみましょう。
そしてその後の「克服までの道」を一緒に探していきませんか?
うつ病の検査・診断
病院などを通しての薬物治療
まずは「うつ病」かなと思ったら、病院に相談してください。
初めて病院に行く際は、本当に行きづらいものです。
しかし、現代ではうつ病は誰しもがなりうる風邪のようなものです。
「うつ病」と「病院」に関してしっかりと知識をもって相談にいってみましょう。
カウンセラーなどを通してのカウンセリング治療
病院などに相談をして、それでも解決しない。
または根本的な、心理原因を相談したいと思った際におすすめなのが「カウンセリング」です。
過去のトラウマや、仕事のストレスなど相談できる相手がなかなかいないという方にはおすすめ。
しかし「何もしないカウンセラー」も存在するので、しっかりと口コミなどの調査が必要です
そして「病院」とは異なるため、「何をしてくれるのか?」を事前にしっておく必要があります。
自分で克服をする自己治療
初めて「うつ病」かなと思ったときは、絶対自分で無理に治療をしようと思わないでください。
どのような病気でも、最初の段階で無理をしてしまうとより症状がひどくなってしまうことがありますよね。
このサイトでは、こうなればうつ病が治る!といったことはご紹介しません。
それはそういったインターネット上の記事を読んで、苦しむ方が多くいるからです。
あくまで自分では、こうしてみたよという克服体験談としてお読みください。